三陸・常磐の豊かな海が誇る美味しい水産物をご紹介する「うめぇもん!通信」。その美味さの秘密と、生産者の想いやこだわりのストーリーをお届けしていきます。
Vol.7は、岩手県の「ハマチ(イナダ)」。船越湾卸売市場(岩手県下閉伊郡山田町船越)で働く船越湾協同組合職員の佐々木拓海さんに、ハマチのおいしさの理由や、おすすめの食べ方についてお話を伺いました!
三陸では、ハマチは夏が旬ですが、海水温上昇の影響で今年はこの時期にもたくさん水揚げされています。これから冬になるにつれて、成魚となったワラサやブリがどんどん増えていきますが、実はハマチにも魅力がたくさんあるんですよ!
ハマチはブリの若魚ですが、その違いは大きさだけではありません。ブリに比べて脂分が少なくあっさりとした味わいが特徴。身が引き締まっていて、食感も楽しめ、いくらでも食べられそうです。
佐々木さんのオススメはやはり「ハマチは刺身!」だそうですが、照り焼きや塩焼き、洋風にカルパッチョにするのも良し。「ハマチは、水揚げから2〜3日寝かせてから食べる方が美味しいですよ」とは、さすが魚を扱い慣れている佐々木さんです。
岩手県山田町は、岩手県沿岸部のほぼ中央部。山田町沖合は親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかることによりプランクトンが発生し、プランクトンをえさとするたくさんの魚種が集まる豊かな漁場です。定置網漁が盛んで、漁獲される魚種には、サケ、イワシ、ヒラメ、ブリ、スルメイカ、クロマグロなどがあります。定置網は魚が自然に網に入るのを待ち、水揚げの直前まで生きているため、その鮮度の良さは市場でも評価されています。
岩手県はリアス式海岸や岩礁などの恵まれた環境を生かした「つくり育てる漁業」に力を入れています。これは、卵から稚魚・稚貝になるまでの時期を人の手で育て、ある程度成長してから自然の海に放流する漁業のこと。岩手県は、アワビは全国1位の生産量を誇る「つくり育てる漁業」の先進県でもあるのです。
佐々木さんのお父さんは、今も現役の漁師さん。佐々木さん自身も中学のときには、ごく自然に漁のお手伝いをしていたそうです。「地元が好きで、海が好きで漁師になるのが夢でした。当然のように父親の跡を継ぎたいという思いがあったんですけど、高校の時の職場見学で魚市場に行ったら、漁師さんを支えている魚市場職員たちに魅力を感じてしまって……。漁師さんが朝早く漁に出て獲ってきた美味しい魚を、全国に売ってみたいと思って、今は魚市場職員として働いています」。
佐々木さんの主な仕事は、漁師さんが水揚げした活魚や鮮魚を魚種ごとに分けて販売すること。美味しく出荷するために温度管理を徹底しています。
漁船が港につき、魚が水揚げされると魚市場は一気に慌ただしくなります。佐々木さんはまだ26歳の若手職員ですが、今では大体、魚種や魚の状態でどれぐらいの値が付くか当てることができるので、それを踏まえて効率よく選別をするのだとか。
「自分はみんなの助けになりたい気持ちがあって、漁師さんが助かること、買人さんが嬉しいこと、どちらにとっても良いことを考えていきたいです。そして、船越市場
に水揚げすれば魚は高く買ってもらえると漁師さんから思われたい。買人さんからは船越市場の魚はいいと思われたい。買人さんが増えて競ってくれれば、魚は高くなりますからね。地元のいい魚を、もっと全国の人に知ってもらいたいですね」。
船越の美味しいハマチを、よりたくさんの人に味わってもらいたい。佐々木さんは今日も魚市場内を駆け回っています。
《船越湾卸売市場の取り組み》
全国の人に船越で獲れた美味しい魚を知ってもらうために船越湾卸売市場では、職員が選別台等による迅速な水揚げ処理を行い、水産物の低温管理の徹底など、鮮度を保つ様々な工夫を行なっています。また、近年漁獲量が減少している秋サケ漁獲量の増加を図るため、漁協では近隣市町村のサケのふ化場から稚魚を購入し、海中飼育と適期放流に取り組んでいます。
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